今回は、天気の神様に感謝せずには、おれません。
週間予報では「土」、「日」と雨。 特に登山日の日曜日は朝から雨。
”最悪”と、ほぼ観念していました。
ところが2日前に突然、なんと両日とも”晴れ”に変わったではありませんか。感謝!感謝!
お陰さまで青天の下、赤石山系からの展望を心ゆくまで楽しむことが出来ました。
なんともスバラシイ登山となりました。

広島〜マイントピア別子〜筏津
セミサロンバスで8:00分に新幹線北口駐車場を出発。
松山自動車道を新浜ICで降りて、県道47号線のマイントピア別子(別子銅山の施設跡利用の
テ−マパ−ク)へ。
折からの”シャク薬祭り”。多くの観光客で賑わっていました。
ここで昼食と施設内の観光で時間を過ごします。

メインの建物の二階だったと思いますが、別子銅山に関するビデオ(無料)を映していました。
これが結構面白いのですが、その内容が今回の下山ル−ト(銅山越〜日浦登山口)にある
別子銅山遺跡の歴史に関することでしたから、この予備知識によって下山時、各遺跡を、
特別な興味を持って観ることが出来ました。
ところで、宿のある筏津までは、47号線をこのまま進めば近いのですが、
一部個所を、セミサロンバスが通行できないということで、再び松山自動車道を東へ走り、
三島川之江ICで降りて、遠回りして今夜の宿、筏津山荘をめざします。

筏津登山口〜東赤石山
朝6時に筏津山荘を出発。
山荘から筏津登山口までは200m。 ほんの3分程です。
登山口から東赤石山頂まで標高差約1050mを登ります。
最初から急登が始まり、途中多少の息抜き個所はありますが、ほとんど登りの連続といった
感じでしょうか。

登山道は谷川沿いに樹林の中を、山腹を縫うようにして登って行きます。
この谷の流れですが、里山二つ分位の急登を登った高度で、まだ「ザ−ザ−」と
川底の岩を洗って流れ下りますから、水の豊かさに驚かされます。
五合目辺りで思いがけず、山シャクヤクの群落に出会いました。
登山道のすぐ側に白い花が浮かんでいます。少し歩みを止めてシャッタ−を切ります。

ヒノ木と広葉樹の樹林帯を抜けた七合目辺りからは、リョウブやツツジの木が目立ってきます。
最初ミツバツツジが、さらに登ると、期待のアケボノツツジが満開です。
登り始めてから4時間弱、東赤石山頂に到着しました。
私たち(20人余)だけでいっぱいになった山頂で、目前の岩山”八巻山”の威容に見入り、
眼下の景色に歓声を上げます。

東赤石山〜物住頭〜西赤石山〜銅山越
八巻山から前赤石山に至る岩山群は今回敬遠させてもらい、赤石山荘経由の巻き道を行きます。
山荘を過ぎた所で、上を見上げると八巻山の岩に取り付いて東赤石山を目指す男女のパ−ティが
認められます。
こちらから「オ−イ」と叫ぶと向こから「オ−イ」と帰ってきます。 御苦労さまです!
巻き道とは言え”物住頭”までのこのル−ト、特に前赤石山の辺りは緊張の続く、断崖絶壁を通過
しなければなりません。

物住頭に到着したのが正午頃でした。ここが今回の縦走ル−ト全体の中間点くらいでしょうか。
40分程時間を取り、昼食と雄大な展望に浸りながら足を休めます。
来た方向に目をやると、赤茶けた岩又岩の前赤石山。南の方向の山並みの中には、2年前登った
平家平〜冠山がくっきりと見えています。
この物住頭から先の銅山越までは、なだらかなアップダウンを繰り返す快適な尾根歩きの連続です。
勿論、展望も申し分ありません。 あっちこっちでアケボノツツジが花開いていました。

銅山越〜日浦登山口(下山)
この急な下山ル−ト全域に住友財閥の礎を築いた別子銅山の遺跡があります。
江戸時代から昭和48年に閉山されるまでの約280年間に亘り銅を産出。鉱山跡が残っています。
最盛期、山中に12000人が住み、劇場、小学校、接待館などもあったそうです。

今は苔むしたレンガの塀や階段が往時を偲ばせています。

ちなみに、
下山ル−ト中間地点のダイヤモンド水
「昭和26年、新しい鉱脈へ向けてダイヤモンド刃の工具で掘削中、残りわずかのところで工具が折れて
掘削不能となり、その穴から湧き出る水を、このように呼ぶようになった」とのことです。
冷たくおいしい水が、勿体ない程の勢いで噴出していました。


筏津山荘の裏にあった筏津抗 
立看板の説明には。
「昭和48年3月31日の
筏津抗の終掘をもって、別子銅山283年の歴史の幕がおろされた」とあります。
又、「
筏津抗は第二斜坑から第四通洞を経て、マイントピア別子がある端出場に行くことも可能でした」
とあります。
銅山史に残る特別な採掘坑だったのですね。
あの坑口から地下を通って、マイントピア別子へ行けたとは驚きですね。ここが通れたら早かったで
しょうね。
(広島新幹線駅北口到着9:40頃)


所在地     愛媛県、高知県
ル−ト     筏津登山口→
東赤石山物住頭西赤石山銅山越日浦登山口(下山)
歩行距離    14.5km
累積標高差  1460m
歩行時間   10時間50分(休憩含む)
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